ケニアにおける母子保健のデジタル化に向け、Health X Inc.とMoUを締結
モバイルテクノロジーを通じて妊婦健診の接点を増やし、ケニアの母子保健サービスの質と継続性を支援します。
AfricanMothers株式会社(代表取締役:横川公善、本社:東京都港区)は、ケニア共和国におけるデジタルヘルス事業パートナーとして、Health X Inc.(所在地:ケニア・ナイロビ市、CEO:Roy Bore氏)と、ハイブリッド型母子保健サービスの実証に向けたMoU(基本合意書)を2026年9月15日に締結いたしました。
本提携により、両社はケニア国内でPoC(Proof of Concept=本格導入の前に小規模で有効性を確かめる実証)を共同で設計・実施し、対面と遠隔を組み合わせた妊婦ケアのモデル構築を目指します。

■今回の提携内容
AfricanMothersは、日本の母子健康手帳の考え方を参考に開発した母子保健アプリ「Taarifa za Mama」(スワヒリ語で「母のための情報」の意)を提供しています。妊婦向けと助産師向けの2つのアプリで同じ記録を共有し、健診の記録、次回健診日の管理、医療者とのコミュニケーションを一つのアプリ上で行えるようにするものです。
一方のHealth X Inc.は、ケニアでプライマリ・ケア(日常的な健康問題に最初に対応する医療)を提供するデジタルヘルス事業者です。クリニックでの対面健診とオンライン・電話による遠隔相談を組み合わせた妊婦健診プログラム「Mamatoto」を運営しています。
本提携では、「Taarifa za Mama」をHealth Xの臨床オペレーションと接続し、次の2点を主な目的として取り組みます。
1. 妊婦健診(ANC:Antenatal Care)の接点の拡大
WHO(世界保健機関)が推奨する妊娠期の健診回数を踏まえ、対面と遠隔を組み合わせることで健診の機会を増やします。これにより、合併症の早期発見と母子の健康アウトカム(健康状態の改善結果)の向上を目指します。
2. 妊婦の負担を増やさないハイブリッドケア
アプリ上でのやり取りと遠隔相談を活用し、妊婦の追加的な費用負担や通院負担を増やすことなく、医療へのアクセスを広げます。
役割分担として、AfricanMothersはアプリのケニア市場向けカスタマイズと、識字率に配慮した音声・動画による現地語(スワヒリ語)の教育コンテンツの制作を担います。Health Xは、アプリ上の相談に応答する助産師・医療スタッフの体制を担うとともに、現地でのアプリ導入と定着を支援します。
両社は今後、技術チーム間でのシステム連携の検討、ケニアの法令に沿ったデータ管理体制の整備、そしてKPI(成果を測る指標)・実施期間・実施規模を定めたPoC設計書の策定を進めます。あわせて、実証後の持続的な運営を見据え、費用分担や事業モデルについても協議してまいります。
■背景
ケニアでは、妊産婦死亡率が出生10万件あたり355(UNFPA)と依然として高い水準にあります。2022年のケニア人口保健調査(KDHS)によれば、4回以上の妊婦健診を受けた女性は66.0%、WHOが推奨する8回以上の健診を受けた女性はわずか4%にとどまっています。
健診の未受診や中断は、妊娠高血圧症候群や貧血といった合併症の発見の遅れにつながります。その背景には、通院にかかる時間と交通費、医療施設や助産師の不足といった構造的な要因があります。
両社は、スマートフォンを介した記録の共有と遠隔相談によって、医療施設の負担を大きく増やすことなく健診の接点を増やせると考えています。本取り組みでは、日本政府機関等による中小企業の海外展開支援の活用も視野に入れながら、現地での実証と事業化を進めてまいります。
■Health X Inc.について
Health X Inc.は、ケニア・ナイロビを拠点とするデジタルヘルス事業者です。オンラインと対面を組み合わせたハイブリッド型の診療・相談プログラムを提供しており、妊婦健診プログラム「Mamatoto」を通じて、妊娠期を通じた継続的なモニタリングに取り組んでいます。
■AfricanMothers株式会社について
AfricanMothers株式会社は、「テクノロジーでアフリカの妊産婦を支える」を掲げ、デジタル母子保健サービスを開発・提供しています。日本の母子健康手帳の考え方を参考にした母子保健アプリ「Taarifa za Mama」は、妊婦向けと助産師向けの2つのアプリで同じ記録を共有し、健診のあとも妊婦が検査結果や次回の健診日を確認できる仕組みです。キャスタリア株式会社の子会社として、モバイルテクノロジーを活用した社会課題の解決に取り組んでいます。
